引っ込み思案な息子が

「心の強さ」を信じて、

たくましくなった!

 

消極的だった子どもの素晴らしさを見出し、本来の力を

発揮できるようになった体験です。

 

 


佐藤 美保子さん(仮名・東京都)・遼平くん(仮名)

 


息子のことを毎日心配していた私

 

 長男の遼平は幼児の頃、アトピーや喘息にかかっていました。小学校に上がるまでに治ったものの、私がかなり過保護に育てたせいか、引っ込み思案な子どもでした。

小学校が幼稚園時代の友達と別の学校だったので、「小学校でうまくやっていけるかしら……」と不安でした。遼平は入学式の日に「友達がいない」と泣いていました。

 

 「自分から『遊ぼ』って言えばいいのよ」とアドバイスしても、なかなか友達の輪に入っていけない様子です。

 

 「今日はだれと遊んだの? だれと一緒に帰ってきたの?」

 

 私は心配のあまり、毎日、遼平に尋ねました。遼平はいつも「今日も『遊んで』って言えなかったんだ……」と涙ぐんで答えます。

 

 公園に連れて行っても、遊んでいる子ども達の周りをぐるぐる回っているばかりで、結局、声をかけられません。遼平が一人で公園に行き、「『入れて』って言えなかった」と、泣きべそをかいて帰って来ることもありました。

 

 そんな遼平が不憫で、私も涙が出てきます。

(このまま友達ができなかったらどうしよう)という焦りと不安で心が揺れました。

 

 

遼平の長所が見えてきた!

 

 二学期の半ばになって、悩みを解くヒントをいただきました。

私が幸福の科学の支部で、法友と茶話会をしていたときのことです。

 

 あるお母さんが、「以前は消極的な息子のことで悩んでいたの」と話されました。

 

 「でも、子育ての研修を受けたとき、息子の長所を発見できたんです。『ほんとうは優しい子なんだ。自分より人のことを先に考える、忍耐強い子なんだ』と。私が息子を責める思いを出さなくなったら、息子は一気に明るくなったんですよ」

 

(これだわ! 私も遼平の長所を見つけていこう。)

 

 日々、家事の合間に考えるようにしました。

 

「遼平は忍耐強くて優しい」「親に何も隠し事ができないほど正直」「真面目で素直」「笑顔がとてもかわいい」―― 長所が次つぎと見つかります。

その度に、「遼平は優しいね」と、口に出してほめました。

 

 長所の発見を続けていくと、遼平のすべてがいとおしく思えるようになりました。 

「遼平のこと、大好きだよ」と、抱きしめながら言うこともよくありました。

 

 私が遼平のことを肯定するようになると、合わせ鏡のように、遼平は学校で少しずつ友達と話せるようになりました。

 

 ある日、遼平が喜び勇んで帰ってきました。

 

 「今日、友達と遊ぶ約束をしてきたよ!」

 

 私は、「よかったね!」と、一緒に喜びました。その後、遼平は気の合う友達ができ、学校に行くのが楽しくなったようでした。

 

 

いっそう輝き始めた遼平 

 

二年生の夏に、遼平は幸福の科学の信者となる儀式「三帰誓願式」をうけました。御本尊の前で、胸を張って大きな声で三宝帰依を誓う姿はとても立派でした。このときの遼平の凛とした表情、仏を信ずる姿勢に、崇高な精神を感じました。

 

(この子は、幾転生も魂修行を重ねて、今世、仏弟子としての使命をもって生まれてきたんだ。素晴らしい子を育てさせていただいて、ありがたい……)と涙があふれました。

 

 私は遼平の心の輝き、心の強さをより深く信じるようになりました。すると、遼平も、徐々に積極的になっていったのです。

 

 二学期の終わりには、担任の先生から、「この二年間で遼平くんがいちばん成長しましたね」と言われました。

そして驚いたことに、遼平は三学期の始業式で、全校生徒の前で作文を暗唱する役に抜擢されたのです。遼平自身も、「やりたい」と返事したとのこと。

(たくましくなった)と実感しました。

 

 

成功体験が遼平の自信になった

 

 始業式に向けて、遼平は原稿用紙三枚の作文を書き、私も側について暗唱の練習を何度もしました。当日の朝は、親子で特に心をこめて、「真理の言葉・正心法語」を読誦しました。  遼平に、「仏様も、守護霊様も見守っているよ。私達もお祈りしているよ」と声をかけると、安心した顔で元気に登校していきました。

 

 本番での遼平は、一回も原稿を見ずに暗唱できたそうです。遼平は目を輝かせて帰ってきました。その日の夜は家族で喜び合いました。この経験で遼平は自信を持ったようです。

 

 三年生になった今、友達も増えました。これからも、わが子の素晴らしさを信じて、子どもの心が輝き、心が強くなるように育てていきたいと思います。