問題児だった息子が変わった!
ダメな子というレッテルを外し、
子どもの心に寄り添う努力を続けたお母さんの体験談です。
太田 聡子さん(仮名・神奈川県) 裕也くん(仮名・小3)
問題だらけのダメな子
長男の裕也が3年生の2学期のことでした。担任の先生から、「授業中に隣の子をつついてけんかになる、勉強のさまたげをしていて困っている」 という連絡がありました。その上、宿題などの忘れ物も多く、注意されても先生に謝らないというのです。
すぐには信じられませんでした。家では受け答えもできていたし、夕食後は毎日机に向かっていたので、当然宿題をやっていると思っていました。
連絡を受けてから、息子の様子を注意深く見ていると、机に向かっていてもマンガを読んでいたり、外で私と一緒の時にも、近所の人に話しかけられて返事をしないことがありました。
「早く宿題をやりなさい!」 「話しかけられたら返事しないと失礼でしょ!」
それからは、毎日同じようなことで叱ってばかり…。注意すればするほど、裕也は「できない!」 と泣き出してしまいます。
(何度言っても直らないし。ほんとに裕也はダメな子だわ)
先生からは、その後も何度か注意の電話がありました。私は、とにかく「悪いところは直さなければいけない」 という思いでいっぱいでした。
仕事に育児に忙しい毎日
私は家計を上手にやりくりしたいと思い、息子を出産後、フィナンシャルプランナーの勉強を始めました。資格を取り、長男が5歳の時に開業。その間に、長女を出産しました。
開業前は息子に絵本を読んであげたり、勉強をみてあげたりしていたのですが、そんな時間もなかなかとれなくなりました。
小学校入学後は、仕事も順調で私自身の勉強もこれまで以上に必要になり、保育園への娘の送り迎えや家事、学校行事への参加で毎日が手いっぱいでした。そんな中で、宿題をみてあげたり、ランドセルの中のチェックなど、手間のかかることがどんどん後回しになっていきました。
息子が3年生になると、仕事が夜中までかかり、翌朝一人で朝食をとらせて、登校させることが何度もありました。
魂の本質が善であると信じる!
息子は幸福の科学の仏法真理塾「サクセス№1」 に通っています。私は、こちらでも周りに迷惑をかけているのではないかと心配で、講師に相談に行きました。
「息子が騒いでいませんでしょうか。学校でもちゃんとできなくって……」
「人の迷惑になることは、直さなければいけませんが、だからといって裕也くんの本質がダメということではないんですよ。私たちは、未来を担う人材として、彼にも期待しているんです」
優しく語る講師の言葉に思わずハッとしました。
「裕也くんがみんなと協調できるように、私たちも一緒に教育していきたいと思っています。でも、一番は、お母さんが裕也くんの魂の本質が良いものであると信じてあげることですよ」
幸福の科学では、「魂の本質は善であり、それぞれの魂は、新しい経験を積むために転生輪廻を繰り返している」 と教えられています。
それなのに、私は息子の悪い面やできないことを叱ってばかりいるうちに、「親の言う通りできないこの子はダメな子」という見方をしていたのです。
(私は、裕也の悪い面しか見ていない…)
「裕也くんは素晴らしい魂」
その晩、私は家庭御本尊の前で、静かに自分の心を見つめてみました。すると、ゲームをしている息子を見て、「宿題もやらないで!」と、反射的に怒ろうとしている自分の姿が浮かんできました。体にギュッと力を入れ、身構える裕也の姿――。その時の私は、息子が宿題をやっていないと頭から決めつけていました。
(私は、裕也に対していつも否定的に見ている。講師が言ったのはこのことなんだ)
これまでの私は、何回も同じことで注意させる息子にいつもイライラしていました。でも、考えてみれば、本来なら親が教えなければいけない勉強の習慣やあいさつなどの基本を、私は息子にきちんと教えたことがなかったのです。
私は自分の仕事を常に優先していました。
(教えられていないのに、できないと責められるのは辛かったよね……)
大川隆法総裁の『生命の法』 という本に、「人間は教育によって、訓練によって、修行によって、自分を高めていける」 という内容が書かれてあります。
(親は子どもの可能性を忘れたり、諦めたりしてはいけない)
私は、本気で自分を変えたいと思いました。
(「裕也くんは素晴らしい魂だ」って、お母さん信じるね。いい所をいっぱい見つけてあげよう。)
息子の心と接する努力を始める
私は「母親として何ができるか」 を考え、努力していきました。
まず、仕事がどんなに遅くなっても、子どもたちより早く起きて朝食を作り、注意する時は、否定的な見方や考え方にならないよう気をつけながら話しました。また、忙しくても毎日必ず20分間は勉強をみてあげようと決め、その時間を作り出しました。
息子が先生に謝れないことに対しても、じっくりと理由を聞いて解決することができました。
「先生に謝れないのは、どうしてなの?」 と問いかけ、息子の返事を待ちます。
「恥ずかしいから…」 と息子。
「じゃあ、手紙でなら謝れる?」
「うん、やってみる」
こんなふうに、息子の気持ちに沿い、短い時間であっても、息子の心ときちんと接していくことを第一に心がけていきました。
見えてきた息子の良さ
(裕也くんは記憶力が良いし、好きな本は何回も読んで継続力がある。それに家のお手伝いや妹の面倒もよくみてくれて、私を支えてくれている)
少しずつ、息子の良さが私にも見えてきました。「こんなにもいい子だったんだ」 と温かな気持ちがあふれてきて、子どもたちのために仕事を始めたという、私の初心を思い出させてくれました。
息子は授業態度も落ち着き、先生からの注意も少なくなりました。先日は「ちゃんと謝れましたよ」 と先生から連絡がありました。
これからも息子の素晴らしさをたくさん発見して、息子の良さを伸ばしていきたいと思います。