「言葉にして愛を伝えること」が
娘の笑顔を取り戻す
“カギ”だった!
娘への思いを言葉にして伝える必要に気づき、
親子関係を改善できた体験です。
横山敏江さん(仮名・徳島県) 朋子さん(仮名・小6)
泣き出すと手に負えない娘
「また、こんなに散らかしたままで! 早く片付けなさい!」
「ウッ……、ウワァーッ」
全身をふるわせて泣き出したのは3人兄弟の末っ子、朋子です。朋子は私が声をあらげると、途端に泣き出してしまうのです。それも普通の泣き方ではなく、一旦始まると1時間近くも泣きやみません。
こんなふうに泣くのは、朋子が4才から始まりました。泣き始めると、しばらくの間は、誰も近づくことができないほどで、私はどうすればいいのか分かりませんでした。
しかし朋子の泣いている姿を見ると、叱られたということ以外に、何か別の理由があるように感じられて仕方ありませんでした。
(朋子の心が、まるで「傷つきたくない」と言っているように見える。どうして……)
私は娘の心を癒したいと思い、朋子が泣くたびにお祈りをすることにしました。
朋子が泣き出すときには、実は私の心も穏やかではないということに気づいたからです。
私は、「穏やかで優しいお母さんになろう」と思い、感情的にならないよう気をつけるようにしました。
妊娠にまつわる不思議な夢
実は、私は妊娠前に不思議な夢を見ていました。夢の中で女性が「生まれる準備をしていること」と「流産が怖いこと」を、私に告げた直後に、朋子を授かったのです。
他にも、思い当たることがありました。それは、妊娠中に行った子宮筋腫摘出の手術です。筋腫がかなり大きく、流産する危険があったので、やむを得ず妊娠五カ月で手術をしていました。
私は幸福の科学で、生まれ変わりの様子などを学び、「妊娠満九週目になると、魂が胎内に宿るので、その後の中絶や流産は、胎児にとって命を奪われることを意味する」と教わっていました。
手術は成功しましたが、この出来事がお腹の子に恐怖を与えたのではないかと気がかりだったのです。
「朋子は手術のショックで、自分が傷つくことに敏感なのではないかしら……」
「朋子は生まれてこんかったら
良かったん?」
そして、小学2年生のころ、私にとってとてもショックな出来事が起きたのです。
「朋子ちゃんは、お母さんに『何で百点取らんかったん?』と言われるのがとってもつらいみたいなんです」と担任の先生から聞かされたのです。
(しまった!)と思いました。
「今日のテスト何点やったん?」
「94点やったよ」
「えーっ! 何で百点取らんかったん!」
私は、いつもできないところばかりを取り上げて、何気なく娘に言っていたのです。
自分の言葉が娘を傷つけていたこと、またそのことに全く気づかなかったことに、とても落ち込みました。
さらに別の日、私に叱られた朋子が泣きながらこんなことを言ったのです。
「私は生まれてこんかったら良かったんじゃないん? お母さんは私のこと嫌いなんやろ」
ショックでした。
大事な娘が可愛くないわけはありません。
でも、その思いが伝わっていないことは事実でした。私の娘に対する思いと、娘が受け止めているものは同じではなかったのです。
生まれてくれてありがとう
数日後、「生まれた時のことを、授業で発表せんといかんのやけど」と、朋子が言ってきました。
私は慌ててアルバムを探し、生まれた時の写真を見せながら、(朋子が生まれてきてくれて、どんなにうれしかったか。ちゃんと伝えてあげなくちゃ)という一心で、朋子に言いました。
「お母さんは朋子ちゃんのこと大好きよ。大好きやから一生懸命産んだんよ」
私は、朋子への気持ちを正しく伝えようと必死でした。
(朋子は仏さまから預かった大事な命。あの時は何があってもこの子を産むんだと決意した。……そして今、朋子が元気に育ってくれている――)私は話をしながらも、成長した娘をあらためて見ていると、思わず胸があつくなりました
(生まれてきてくれてありがとう……)
私は心のなかで、朋子に感謝の気持ちを伝えました。
私の話を聞いていた朋子は、気恥かしそうにしながらも、なんだか安心したように見えました。
思い返せば、朋子への思いを言葉で伝えることができたのは初めてのことでした。今まで、生まれた時の気持ちを話してあげたことも、どんなに愛しく思っているかを伝えたこともなかったのです。
二人の時間を大切に
一人になると、これまで自分が放任主義だったことを反省しました。幼いころから、大丈夫だと勝手に決めて、しっかり者のお姉ちゃんに任せることが多く、朋子に目をかけていませんでした。
(これまで、朋子ときちんと向き合ったことがなかったのかもしれない。これからは二人の時間をもっと大事にしていこう)
そう決意して、それからは、今までは受け流していた話もきちんと受け止めるように努力し、会話のキャッチボールをていねいにするよう心がけていきました。
そして、折に触れて「あなたは仏さまから預かった大事な子なのよ」と、言葉にして娘に伝えるようにしていきました。
すると、私も感情的に叱ることが少なくなり、娘も自分の思っていることを少しずつ私に伝えてくれるように変わっていきました。
娘が笑顔を取り戻した!
朋子が小学4年生になったころ。気づけば、以前のようなひどい泣き方はずいぶん減ってきました。
ちょうど、幸福の科学の仏法真理塾「サクセスNo.1」徳島支部校に通い始めてから一年が経った時期でもあり、朋子自身のなかに芽生えた信仰心で、魂が力強く成長したこともあったのだと思います。
最近は、「サクセスNo.1」の信仰教育で勉強したことをよく私に話してくれます。
「お母さん、人の良い所、できている所を見ていくのが大事なんやって」
そう話す娘の成長を実感しながら、今でも時々、朋子が愛しくてたまらない気持ちになることがあります。
これからも、娘に戻った、心からの笑顔を守り続けていきます。