私の良さに気付けたら、

娘を愛せるようになった

 

子供の悪いところばかりが目について、

叱ってばかりいたお母さんが

自分の間違いに気付き、

子供への接し方を変えていった体験談です。

 

溝端 愛子さん(仮名・静岡県) 加奈さん(仮名・小2)

 



 

娘の悪いところばかりが見える

 

長女の加奈が幼稚園に入って、よそのお子さんやお母さんたちとのおつき合いが始まった頃から、私は、加奈をよく叱るようになりました。

 

加奈が、お友だちに自分のおもちゃを貸してあげられないと、「どうしてあの時貸してあげなかったの? お友だちが嫌な気持ちになったでしょ!」と、後で厳しく叱ります。

 

また、仲のいい親子のグループで食事をしている時に、加奈が少しお行儀悪くすると、(どうしてちゃんとできないの!)と、厳しい目で見てしまいます。

 

毎日、加奈の悪いところばかりが目について、その一つ一つを注意せずにはいられません。気がつくと、加奈の行動をずっと目で追っています。

 

加奈も、叱られないかと私の顔色をうかがっているようで、幼稚園の参観に行っても、私と目が合うと視線をそらします。

 

(何だか毎日が息苦しくて、幸せじゃない……)

 

けれども、なぜこれほど加奈を叱らずにはいられないのか、自分でもその原因が分かりませんでした。

 

 

姉からのアドバイス

 

私には広島に住む姉がいます。姉は、幸福の科学で仏法真理を学んでいて、何かと私の相談に乗ってくれます。

 

その日も、私と加奈のことを相談すると、姉が熱心にアドバイスをしてくれました。

 

「愛子は、小さい頃から、いつも周りの目を気にしていたでしょう? それって苦しいんじゃないかな」

 

姉に言われて、ハッとしました。確かに、私はいつも周りの目ばかり気にして生きてきたように思います。

 

(今の状態から抜け出したい。毎日、もっと幸せな気持ちで生きたい!)

 

私は、姉が学んでいる仏法真理の勉強を始めることにしました。

 

 

私は「幸福になれない」症候群

 

それから、時間を見つけては幸福の科学の支部へ行き、大川隆法総裁の御法話を聴いたり、お祈りをしたりするようになりました。

 

自宅では毎晩、ひとり静かに仏法真理の書籍を勉強しました。

 

「愛とは与える愛」であること、「おだやかな心を保つことの大切さ」など、日ごとに、大川総裁の教えが心に深く染みていきました。

 

ある晩、大川隆法総裁の書籍『「幸福になれない」症候群』を読んでいた時です。「人の目を気にしすぎるのは、自己評価がまだ確定しておらず、他人の評価という確認をとらないと安心できないからです」という内容が書かれてありました。

 

(これは、私のことだ!)と思いました。

 

さらに、「(こういう人は)自分がほんとうに値打ちのある存在であることを知る必要があります。そのためには、『自分が納得のいく生き方をしているかどうか』を、日々、点検することです」とありました。

 

私は、この本に書かれている通り、まさに「幸福になれない」症候群だったのです。

 

 

加奈の気持ち

 

いつも人の目を気にしながら行動していたのは、他人からの評価が自分の値打ちを決めると思っていたからです。周りから褒めてもらえないと、何だか自分には値打ちがないように感じて、不安で仕方がなかったのです。

 

子どもが生まれてからは、「立派な母親」と評価されようとがんばりました。オムツは手間ひまかかる布オムツ、離乳食もすべて手作り。そうやって私が育てた加奈は、私の頑張りの証として、誰からも褒められるいい子であってほしかったのです。だから、加奈に少しでも悪いところがあると、叱らずにはいられませんでした。

 

母親の期待にこたえようと頑張った加奈も、とても苦しかったと思います。

 

 

ママは加奈が大好き

 

「世間の評価を求めて生きるのではなく、私自身が、心から納得する生き方をしたい」。そう強く思いました。

 

朝のお祈りの後、私は、今日一日を自分がどう過ごしたいかを考えました。

 

(この家を、パパや子どもが心地よく過ごせる家にしたい。私自身が、家族にとって温かく心地よい存在になりたい)

 

それは、私の心からの願いでした。

 

しだいに、加奈が学校から帰ってくる頃になると、自然と優しい気持ちで迎えてあげたいと思うようになっていきました。

 

「お帰りなさい。今日は学校どうだった?」

 

いつもと変わらない言葉ですが、以前よりもずっと心からの思いで問いかけられるようになりました。

 

そういう一日一日を、大切なものに感じながら過ごしていくうちに、私の中に大きな変化が起こっていました。

 

(私、今の自分が好き)

 

それは、とても幸福な実感でした。それと同時に、(私、加奈のことが大好き!)と、そんな思いが自然と心にあふれるようになったのです。

 

加奈が楽しそうに遊んでいる姿を見ているだけで、心がぽかぽかと温かくなり、愛しさがこみ上げてきます。

 

「お母さんね、加奈が大好きだよ」

 

言葉に出して伝え、加奈を抱きしめると、加奈も嬉しそうに笑ってくれます。

 

 

お母さんが大好き

 

今では、毎日加奈のいいところが発見できます。周りの人に優しく明るいところ、正直なところ。私の見方が変わったこともありますが、それよりも、私がありのままの加奈を愛おしいと思えるようになったことで、加奈が、私の前で本来の自分をのびのびと出せるようになったのだと思います。

 

加奈は小学校に上がった頃から、時どき手紙をくれるようになりました。

 

「いつも笑顔のお母さん。加奈は大好きです」「これからも優しいお母さんでいてね」なんて書いてあります。

 

今年2年生になった加奈の参観日に行った時は、満面の笑みを浮かべて手を振ってくれました。そして「今度、学校にいつ来てくれるの?」と私が来るのを楽しみにしてくれます。

 

私は、仏法真理を学んで、自分の中に輝くダイヤモンドを見つけることができました。家族のことを心から愛せる自分、毎日をうそのない心でイキイキと生きられる自分。人の賞賛がなくても揺らぐことのない自分。そんな自分を、私は心から信じることができます。

 

そして、同じように輝くダイヤモンドが、加奈の中にもあることを発見できたのです。

 

かけがえのない宝物に気づかせてくれた神様と家族に、心から感謝しています。