バリバリママが

のんびり長男から学んだこと

 

親子なのに性格が正反対。

「僕はどうせだめだから…。」と

やる気のない息子にママはどうする!?

奥山みどりさん(仮名)(千葉県)・剛くん(仮名) 

 



 

イライラの原因

 

息子の剛は、いつものんびりマイペース。家でも外でも周りは気にせず、自分なりの楽しみを見つけてはニコニコとご機嫌で過ごしています。それが、私のイライラの原因でした。

 幼稚園の行事参観は、行くたびにハラハラのしっぱなし。みんなが揃って歌を歌う時に、剛は一人だけ楽しそうに壁のポスターを眺めています。

 (あー、みっともない! ほかの子はきちんとできるのに、どうしてうちの子はできないの?)

 小学校に上がっても、剛は相変わらずのマイペースです。

 私は、子供の頃から、息子とは正反対の性格でした。一度注意されたことは二度と繰り返さず、常に百点満点じゃないと気がすみませんでした。私が理想としていたのは、周囲が百点満点と評価してくれるような母子です。しかし現実は、「困った息子」に手を焼いて、毎日怒鳴ってばかり――。私は、知らず知らずのうちに、剛のことを心の中で責め続けていました。

 そんな日々の中、剛は、次第に何に対しても尻込みをするようになってきました。

 一年生の夏休み、アスレチックのある公園に連れて行った時も、いっこうに遊具に向かっていこうとしません。そのうち息子は、ちょっと困難にぶつかっただけで、すぐに「ぼくはどうせダメだから……。」と言うようになりました。

 

 

胸にしみ入る仏の言葉

 

 私の心の中は、息子の将来への不安と焦りでいっぱいになっていきました。

 その頃、弟が幼稚園に入り、一人の時間が持てるようになった私は、幸福の科学の支部で「罪を許す力」という御法話を聴きました。すると、このような言葉が胸にしみ入ってきました。

  「人間は、仏の子であると同時に、この世では不完全に生きている、不器用な生き物であることを認めなくてはいけないのです。自分もそうであるし、他の人もまたそうなのです。」

子供の頃から、人に認められたくて頑張ってきた私。でもうまくいかない子育てにイライラしてばかりいた――。自分では認めたくない、そんなダメな私を、仏はあるがままに受け止めて愛して下さっている。

 私は、大きな安心感に包まれていることに気づきました。それは、仏に許され、受け止められているという安心感です。

 苛立っていた私の心は、次第に穏やかになり、それまで目についてしかたなかった剛の行動も、気にならなくなっていきました。

 ある時、大川隆法先生の本『幸福へのヒント』の中に、「子供は親の心の影なのだから、子供を責めずに、まず親から変わっていくべきです。」という言葉を見つけて、剛を責めてばかりで、自分は全然変わろうとはしていなかったこの8年間を、深く反省しました。そして、あるがままの私を仏が受け止めてくださったように、あるがままの剛を、私も受け止めてみようと思ったのです。

 それからは、自分の心の中にある「ちゃんとできない剛」のイメージを打ち消す努力を始めました。「息子にはムリかも。」「ダメかも。」そんな言葉が心に浮かぶたびに、「違う違う、そうじゃない。彼は大丈夫。」と思い直すようにしたのです。

 

 

子供を責めない体操の先生

 

 剛が、やがて三年生になる春休みに、体操クラブの短期教室に参加することになりました。体操教室の先生は、子供ができないことを決して責めません。

 「剛くんは、体が柔らかいんだね。体操に向いているから、きっと上達するよ。」

 絶えず笑顔で励ましの言葉をかけてくれます。私も、あんなふうに、剛の良いところを発見して褒めながら接していけばいいのかな、と思いつつ見学していました。

 そして、短期教室の三日目。運動が苦手だった剛が、たった三日でさか上がりができるようになったのです。その後、体操クラブに入った剛は、「空中さか上がり」に挑戦。

  「そうそう、その調子だ。足を勢いよく上げて!」

 先生の指導を受けながら、剛が練習を繰り返します。失敗しても、失敗しても、あきらめず、歯をくいしばって必死に挑戦する剛。

 (あの子の中に、こんなに頑張る力があったなんて……。頑張れ、剛! あと少し!)私は、手に汗を握り、心の中で精一杯応援しました。

 次の瞬間、剛の体がきれいにくるっと回ったのです!

「剛、すごい! すごい!」

 私は、周りの目も気にせず夢中で立ち上がり、手をたたいて喜びました。そんな私を見て、剛も、いつもの何倍もの笑顔で笑っていました。

 

 

ごめんなさい、剛

 

 「剛は、子供の頃のママよりも、ずっと鉄棒が上手だね。」と言うと、彼はちょっと得意そうです。小さい頃から、できないことを責められてばかりで、自分の良さや個性を母親に認めてもらえなかった剛。それは、子供にとってどんなにつらいことだったでしょう。やはり、剛が自信ややる気を失っていった原因は、彼自身にではなく、私にあったのです。

 (怒ってばかりのママだったね。それなのに、あなたは、いつもおだやかに笑ってくれていた。ごめんなさい、剛。私に平和で優しい心を教えてくれて、ありがとう。)

 剛への反省と感謝の気持ちが、胸にこみ上げました。

自分とは違う個性を受け入れてその成長を慈しむという、母親としての大きな幸福を、剛は教えてくれました。あなたのおかげで、ママは少し成長できたのではないかな、と思っています。