娘の個性の輝きに気付けた

 

「ダメな子」とレッテルを貼り子どもに接していたお母さんが、その子の持つ個性を理解することで自分の考えを改めた体験談です。

 

石田弘子さん(仮名)(福岡県)・友里ちゃん(仮名)



何でわからんの?

「お母さん、この問題わからんから、教えて」

「これ、こないだ教えたのと同じところやろ。あんた、何聞いてたん?」

 

次女の友里が小学校に上がり、勉強でわからないところを私に聞きに来るたびに(何で、こんなことがわからんの?)と思っていました。

友里より七歳上の長女は、勉強が好きな子で、小学生の頃も一度教えるとサッと理解して、次に進めていました。友里は同じ事を三回くらい教えないと理解しないのです。しかも、説明しても困ったような顔をするので、(本当にわかってるのかしら?)と不安になります。

しっかり者の姉に比べ、友里は引っ込み思案で消極的です。ちっとも自分の意見を言わず、授業参観の時も答えがわかっているのに手をあげようとしません。そんな姿を見るたびに、ついイライラしてしまうのです。

 

(何で、お姉ちゃんと同じことができないの?  同じように育てているのにどうしてこんなに違うのかしら、何でなの?)と、悩んでいました。

 

私の思いと子どもの長所 

私は、徳島県にある聖地・四国正心館(幸福の科学の研修・礼拝施設)に友里と長男を連れて月に一度のペースで参拝していました。

当時、長男は三歳で、物をひっくり返して壊したり、急に走りだしたりと落ち着きがなく、いつも「ダメよ!」と言いながら後を追いかけていました。

 何度目かに参拝した時のことです。

 

「お母さんが『ダメだ』と思っていることが、もしかしたら息子さんにとっては得意なことなのかもしれませんね」

 

精舎の講師に言われ、(そんな考え方もあるのか)とびっくりしました。

 

(乱暴すぎるのはいけないけど、元気で活発だと思えば確かに長所になる) 

 

そう思い至った時、ふと友里の顔が頭をかすめました。

 

(もしかしたら、友里のこともダメだと思っているかもしれない)

 

記憶のなかの友里

それから私は友里の長所を探そうと思い、まずは、幼い頃の友里を思い出すことから始めました。

 

しかし、いくら記憶をたどってもじっと待っている姿しか思い浮かびません。でも、ひとつだけ思い当たることが。

私は、友里が四歳の頃に長男を妊娠しました。妊娠中に何度か出血して入退院を繰り返し、その間、長女と友里は主人の実家に預けていました。

生まれてきた長男は1920グラムの未熟児で、出産後も毎日小児病院に通いました。そのため、友里の習い事は送り迎えができないのですべてやめてしまいました。友里が小さい頃は長男のことが最優先だったのです。

 

 物心つく頃から、友里は私に関心を向けてもらえずにきた……。それがどんなに辛く悲しいことだったか――。

 

(友里、ごめん。あなたのことをわからないと思っていたけど、友里を理解しようとする気持ちがお母さんに足りなかったんだ。これからの友里との時間を大切にするね)

 

粘り強くがんばる友里 

友里は背が高く、三年生の頃には、すでに五年生くらいに見えました。時々、「抱っこして」と甘えてくることがありましたが(もう大きいんだから)とあまりしてあげていませんでした。 

 

ある日、友里が「お母さん、抱っこして」と言ってきました。

「いいよ。おいで」と手を広げて待ってあげると、ちょこんと膝元にきて「好き」と言いました。

 

(子どもはこんなちょっとしたことで、満足するんだ)

 

それなのに、抱っこしていたら家事ができないと、わずらわしいとさえ考えていた自分を反省しました。

 

また、朝は友里を小学校の近くまで車で送り、二人きりの時間を持つようにしました。友里も喜んでくれているようで、学校のことや友だちのことを教えてくれるようになりました。友里は絵や工作が大好きで、一人で何時間でもやっています。友里には、粘り強さがあることが見えてきました。

幸福の科学では「生まれてくる前は、一人前の個性を持った霊として天上界で暮らしていた」と教えられています。

 

(友里は、コツコツ長くがんばれる。これは生まれてくる前からもっていた友里の個性なのかもしれない)気がつけば、いつも頭を占めていた(何でなの?)という思いが、気がつけばなくなっていました。

 

「お母さん、できたよ!」

 去年の秋、所属する子ども会にある劇団が行うミュージカルのエキストラの募集がありました。

 

「友里も出てみる?」

「やってみようかな。」

 

 思ってもみなかった返事に、非常に驚いた一方でとてもうれしく思いました。

 

「セリフがつく役もあるけど、友里はどうしたい?」

「踊るだけの役でもいいからやりたい」

 

(自分のやりたいことをちゃんと言えてる)

 

 自分の意見を言えずにいた友里が、いつの間にかしっかり言えるようになっていたのです。

 以前は忘れ物も多かったのですが、五年生になってからは、学校に毎日持って行く物を自分で表に書いてチェックするようになりました。

 

ある日、「お母さん、この問題わからんから、教えて」と友里が聞きに来ました。

「もう一回、自分で考えてごらん。前に同じような問題なかった?」と私。

今までなら、(こんな問題もわからないの?)と思いイライラしていた口調で返事をしていたと思います。それを改めて、友里が自分で努力する方向に、言葉を選ぶようにしました。

 

「探してみる」

 しばらくして友里が再び来て言いました。

「お母さん、できたよ!」

 

そうするうちに、聞きに来る回数も減り、理解度も上がってきました。人に頼りがちだった友里が自分でできるように成長していきました。

 

個性に応じた花を咲かせる

私は、子どもを比べるのではなく、その子独自の魂を認め、個性を理解していくなかに、親としての喜びを感じるようになりました。

友里は、芸術的な方面が得意です。この間も八時間ほどかけて、根気強く作品を完成させたばかりです。

 

 こうした「芸術性」や「粘り強さ」という友里の個性を大切に育みながら、苦手な勉強をサポートしつつ、友里が自分で進みたいと思う道を進めるように導いてあげたいです。