他との比較を乗り越えて

娘の個性を愛せるようになった

 

他との比較をやめ、

娘を心から愛せるようになったママの体験談を紹介します。

 

大崎 昌子さん(仮名)(千葉県)・雪乃ちゃん

 

どうやって育てればいいの?

 

 長女の雪乃が小学校に入学した年、雪乃より二つ上の真紀ちゃんが、私達の住む社宅に越して来ました。二人は、すぐに仲良しになり、子ども達はお互いの家に行ったり来たりして、家族ぐるみのお付き合いが始まりました。真紀ちゃんには弟と妹、うちの雪乃には妹がいます。

 真紀ちゃんは礼儀正しくて、小さい子の面倒見もよく、誰にでも優しく配慮できるとてもいい子でした。

 (雪乃も、あんなふうにしっかりした子になってほしいわ。いいお手本になるお姉さんが来てくれてほんとによかった)

 ところが、数カ月経つと、雪乃の態度や言葉がとても反抗的に変わってきたのです。少し注意しただけでも、すごい目つきで私をにらみ付けます。私は、初めて見る娘のそんな態度に戸惑いながら、「こんな時期もある」と自分に言い聞かせ、しばらく様子を見ることにしました。

 けれども、一向に事態は変わりません。

 そのうち、私の方が娘の機嫌をとっているような状態にイライラが募っていきました。

 (ほんとに子どもの心ってわからない。子育てって大変だわ)

 そう思いながらも、幸福の科学で学んだ、物事には必ず原因があって結果があるという「縁起の理法」を思い出し「何か親として原因がなかったか」と頭を巡らせました。

 ふと、思い出されたのは、いつも笑顔で接してくれていた真紀ちゃんが、このところ私と目を合わせようともせず、そっけない態度だったことです。

 心配になった私は、早速次の朝、真紀ちゃんのママに尋ねてみました。

 「最近、真紀ちゃん元気ないようだけど、どうかした?」

しばらく何か考えている様子の後、「あのね、うちの真紀がね、雪乃ちゃんから『私のママとあんまり話さないで』ってお願いされたらしいの。真紀も困ってるみたいなんだけど……」

  「えーっ、雪乃が?!」

 「ええ。真紀からは『雪乃ちゃんのママには言わないでね』って言われてるんだけど、何かあったのかなって思って……」

 (信じられない。幼い雪乃がそんなことを言ったなんて。しかも、私に内緒で……)

 私は、二重のショックで、ガツーンと頭を殴られたようでした。

 家に帰るとすぐ、なぜ雪乃がそんなことを言ったのかを考えました。

 真紀ちゃんが越して来てからのことを、自分の言動を中心に、一つひとつ振り返って考えてみました。

 すると――。

  「真紀ちゃんて、優しいね」

  「真紀ちゃんみたいにできるといいね」

 まるで、口癖のように、毎日真紀ちゃんを褒めていたのです。

 真紀ちゃんのピアノの音が聞こえてくると、     

  「あっ、真紀ちゃん、ピアノの練習始めたみたいね。雪乃も練習したら」

こんなふうにいつも二人を比べていました。

  「もしかしたら、このことが……」

 

 

講師からの意外な言葉 

 

その日の午後、幸福の科学の講師とお話しする機会がありました。

 私は、開口一番質問してみました。

 「子どもの真意を掴むには、どうしたらよいのでしょうか」

 講師は私の顔をじーっと見て、

 「あなたは、本当にお子さんのことを愛していますか?」

と聞いてきたのです。意外でした。

帰り道、頭の中にはその言葉がぐるぐると回っていました。

  (本当に愛するって……。なんでそんなこと言われたのかしら?)

 私はその日の夕方、雪乃と話し合ってみることにしました。

 「雪乃、お話があるんだけど。真紀ちゃんに『ママと話さないで』って言ったの?」

 雪乃は黙ったまま下を向いていました。

 「ママがいつも真紀ちゃんばかり褒めるの、イヤだった?」

 気になっていたことを聞いてみると、小さくこくんと頷いて、ポロポロと涙をこぼし始めました。

 「ごめんね。比べられるの、嫌だったんだね」

話を続けるうちに、雪乃は肩を震わせてワンワン泣き出してしまいました。

 「雪乃はまだ一年生だし、雪乃と真紀ちゃんは違うもんね。ママの方がダメだね」

 娘の辛さに初めて気づいた私は、思わず雪乃をギュッと抱きしめました。私も涙があふれてきました。

 「真紀ちゃんも困ってると思うよ。明日、真紀ちゃんに謝れる?」

 私の言葉に、雪乃はホッとしたように頷きました。

 

 

 

大切なのは雪乃自身の個性の輝き 

 

 思えば、私はわが子に対して期待感がとても強く、「立派な子に育てたい」という気持ちでいっぱいでした。それがいつしか「立派でなくちゃ困る」と思うまでになってしまっていたのです。雪乃が幼い頃から、「もうちょっと上に――。もっとできるはず」という気持ちが常に先立っていたので、心から褒めることも少なかったのです。

 私は、雪乃のためを思って一生懸命でした。でも、結果として、それは自分の欲や理想を押し付けていたのだと気づかされました。「もっと褒めてほしい、愛してほしい」という娘の心の声に気づくことができませんでした。 「『ママが真紀ちゃんとお話ししなければいい』と思ったの」と、泣きながらつぶやいた雪乃の言葉が思い出されます。

 今回のことは、雪乃が私に愛されたくて一生懸命考えた結果だと思うと、本当にかわいそうで、私は心から雪乃に謝りました。

 それからは、他人と比べるのをやめて、娘の努力そのものを認めるように気をつけていきました。

 これまでなら、テストでいい点を取ってきても「百点の子いたの?」と、ついつい言っていた私ですが、「がんばったね。毎日やったからだね」と言葉を変えていきました。 

「えへっ」と、はにかんで笑う雪乃の顔が輝いて見えます。

 「娘の個性が輝き、仏のお役に立てるように」と祈っています。

 これからも伸び伸びと大きく成長していく娘を、心から応援していこうと思います。

 また、そのために母として努力していく姿が、子どもへの最高の贈り物になると信じています。